tango freak @tokyo

東京でアルゼンチンタンゴを楽しんでます☆

映画『タンゴ・レッスン』をみてきました!感想⑴〜恵比寿ガーデンシネマでデジタルリマスター版が公開〜

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タンゴをテーマにした作品の中では、特別に良い作品。

私はこの映画がきっかけで、タンゴをやりたいなぁと思ったので、映画館の大きなスクリーンで観ることが出来て幸せです!

 

 

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恵比寿ガーデンシネマって復活してたんだね。。。
昔、閉まるとき最後の『スモーク』観に来たよ!NEWS23の取材入ってたなぁ。。。

 

ネタバレしてます!
これからご覧になろうとおもっている方は、ご注意ください!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

今回映画『タンゴ・レッスン』をみて、イェリネクの『ピアニスト』張りに男性受けしにくい映画だなぁと、つくづく感じましたが。。。
映画館も女性ばかりで、男性は二人しかいなかった。
こんな思い出も思い出され。。。

 

何年か前まで、六本木にTango Zeroというタンゴのスタジオがあったのです。外国人がたくさん遊びに来ていてね、ブイブイな感じのところでした。

私はあんまり遊びにいったことないんですが、その時はたまたま受けたいレッスンがあって。
レッスンの後のパーティの最中にこの映画を壁に映していた。
その時に、たまたま居合わせたアメリカ人みたいな英語を話すドイツ人とアメリカ人らしいアメリカ人とこの映画についておしゃべりしたんです。彼らが言っていたのは…

 

アメリカ人:

これは本当にひどい映画だ。こんな醜い年取った女と若いタンゴダンサーが恋に落ちるわけがない。

ドイツ人:

パブロ・ベロンはこの映画のせいで有名になりすぎ、イヤな感じのやつだった。レッスンを受けたが、100人以上いるうえ、パートナーの若い女の子とイチャイチャしてろくに教えようとしない。最低のレッスンだった。

アメリカ人:

主人公の顔をCGで全部すげ替えればいいのに。そうすれば、すごくいい映画になる!

 

とほほ。。。そんなにけちょんけちょんに言わなくても。。。いいところもたくさんある映画じゃないですか。。。

 

ま、確かに、確かに、主人公を演じ、また監督でもあるサリー・ポッター のナルシスティックな感じは、男性でなくても鼻につくよね。。。

それに、女性が自分を曝け出してる感じは、目を背けたくなる要素の一つのように思います。

この映画のおかげで、私は、タンゴのパーティ、ミロンガに行くと、いつも女性が老いることについて考えてしまいます。。。

自分の老いとちゃんと向き合って楽しい50代、60代、70代。。。と生きていきたい。

 

でもね、サリー・ポッターは、ちゃんと自分がパブロ・ベロンとは釣り合わないことも、タンゴ人前で踊れるほど上手でないことも、向きあったうえで、自分が映画監督であることをレゾンデートルとして描いていると思うのです。

たとえば、↓のシーン、1:38くらいのところで、観客の白い目でサリーを観るカットが挟まる。サリーに話しかけるイギリス人もパブロ・ベロンに夢中になっているサリーを諌めているかのようです。


The Tango Lesson - Pensalo bien

 

また、ステージで踊り終わった後、楽屋でひとり肩を落とすサリーに対して、若い女が言うセリフが

初めてにしては、とても上手だったわよ。

 

。。。なぐさめの言葉なのですが、これ、つまり、すっごい下手くそだったってことです。

 

サリー・ポッターという映画監督は、自分があまり美しくも若くもなく、パブロ・ベロン とは釣り合わず、さらにタンゴも大して上手ではないこと、それを踏まえた上で、この映画を撮っているんです。

 

なぜなら、パブロ・ベロンが本当に魅力的だったから。恋せずにはいられなかった。年甲斐もなく、夢中になってしまっている自分は本当の自分だから。

なぜなら、踊りたかったから。下手くそと知っていながら、踊らずにはいられない、そういう魔力がタンゴにはあるから。。。

 

私もタンゴ習い始めて、この「踊りたいと思ってしまう魔力」に常々翻弄されています。ほんとうに辛いな、辞めたいな、と思ったりすることも多いんですが、辞められない。

この間、若いアルゼンチンタンゴのプロダンサーが

タンゴは人生を狂わせる、だから、自分はタンゴやろうよと人に勧めない

って言っていて、なるほどな、と思った。

 

タンゴは、そういうダンスなんです。
だから、サリーは自分で踊ったんだと思う。

彼女が自分で踊ったことは、タンゴの魔力をとてもよく現していると思う。

 

彼女は、タンゴの魅力をちゃんと理解しているから、パブロ・ベロンのあふれる才能も余すところなくカメラに捉えていて、ほんとうに素晴らしい。


The Tango Lesson - Sally Potter & Pablo Veron 5 - 1997

 

しかも、ですよ!
タンゴ教えてくれるのは、グスタボ・ナベイラとファビアン・サラス!!!
なんて豪華なんでしょ!!!!!!

二人ともめちゃめちゃすごいダンサーなんです。

ちょっとハゲてる方が、私の大好きなグスタボ・ナベイラ。前の奥さん、オルガ・ベシオと登場。ベシオは、タンゴの学校の校長先生やってるんだって。ナベイラは、今の奥さんとタンゴの革命みたいなものをやってのけた偉い人です。(大好きなナベイラについては、改めて書きます。)

映画に一緒に出ている前妻ベシオとナベイラが踊ってるビデオ↓


Olga Besio w/ Gustavo Naveira, The Art and technique of Adornment, (Performance V309)

なんとなくお茶目さんなファビアン・サラス。古めのビデオを探してみた。


Boston Tango Festival 2006 - Fabian Salas + Carolina del Rivero

 

この映画では、ナベイラの先生として優秀なところ(私はナベイラのレッスン受けたことあるんだい☆)サラスの遊び心、ベロンの圧倒的な魅力をきちんと捉えているなぁって、楽しくなりました。

 

タンゴの魅力を正面から捉えた映画には違いないのです。
音楽、選曲も素晴らしかった。

長くなってきたので、音楽については感想⑵で。